発達検査の数値が伸びて正常値に追いついても、日常生活や学校生活に必要な力がすべて整ったわけではありません。
就学前の長女は、IQ92という結果を得た一方で、

「説明が伝わりにくい」「語彙が少ない」などの言葉の課題が残っています。
この記事では、数値では見えない発達の悩みと、家庭でのサポートについてご紹介します。
正常値に追いついた安心と、新たな不安
長女は3歳のとき、新版K式発達検査で「軽度知的障害」と診断されました。


それから2年、家庭学習や療育を重ね、5歳(年中)のときに受けた田中ビネー発達検査ではIQ92。
ついに正常値に到達しました。
嬉しい結果ではありましたが、就学前の今も「言葉」に関する課題は数多く残っています。



むしろ通常級進学が見えてきたことで、「もっと頑張らなければ」という焦りや不安が強まっているのが正直な気持ちです。


説明が伝わらない
長女の大きな課題は説明の分かりにくさです。
文章で話すときに、先に伝えなければならない名詞が抜けることが多く、何を指しているのかが分からなくなってしまいます。
さらに、早口で一気に話してしまうため、何を言っているのか分かりずらいこともあります。
「焦っているのかな?」
「せっかちな性格なのかな?」
そう感じる場面が多いです。
声の大きさと自信のなさ
普段は楽しそうに遊んでいると声も大きく元気なのに、大事な場面では声が小さくなることがあります。
例えば、家での説明や先生に伝えるときに声が小さくなり、何を言っているのか聞き取れないことも。
一方で、



幼稚園の発表会のように大勢の前で話すときはしっかり発表できるので、不思議です。
授業のように「少人数での発言」が苦手なのかもしれません。
小学校生活でどうなるかは、入学してみないと分からない部分です。
語彙がまだ少ない
課題として残る「語彙の少なさ」
長女は言葉の発達がゆっくりだった分、語彙の少なさが大きな課題として残っています。



使える言葉が限られているため、言いたいことをうまく表現できず、結果として説明がさらに分かりにくくなる。
そんな悪循環が見られることもあります。



語彙については、すぐに増えるものではないため、時間をかけて積み重ねていく必要があると感じています。
長男との違いから気づいたこと
同じきょうだいでも、長男は発達グレーでありながら語彙数が多いタイプです。
その背景には「ことば絵じてん」の存在がありました。
長男は絵を見ながら単語を覚えることが好きで、この本で自然と語彙が増えていきました。


一方、長女は物語のある絵本を好むため、ことば絵じてんのような本にはあまり興味を示しません。



読んでほしい気持ちはあるのですが、無理に進めても長続きしないのが現状です。
長女に合わせた語彙の増やし方
そこで、長女には好きな「物語の絵本」を通して語彙を増やす工夫をしています。
本人が楽しめる形で言葉と触れ合うことが、語彙を増やす近道になるのではないかと思っています。
長女は、クスッと笑える絵本が好きみたいで、パンどろぼうや大ピンチずかんは、自分でも読んでいます。
「文章を作る」のが苦手?「文章で話す」のが苦手?
長女を見ていて特に気になるのは、「文章を作ること自体が苦手なのか」、それとも 「会話の中で文章にして話すのが苦手なのか」 という点です。
例えば、作文のように時間をかければ、きちんと文章を作ることはできるのかもしれません。
一方で、



日常会話の中では瞬時に言葉を組み立てる必要があるため、その場で文章を整えて話すことはまだ難しいように感じます。
この違いによって、小学校での国語の授業や学習のつまずき方も変わってくる可能性があります。
今後の課題として、じっくり見守っていきたいと思っています。
家で取り組んでいること
長女の強みは、ワークや勉強が好きなところです。
この強みを活かして、家庭では「文の組み立て」を学ぶ練習を進めています。
年長の春には、ワーク教材の 「ぶんのおけいこ」 に取り組みました。
ここでは、くっつきことば(助詞)や、短い文を作る練習ができました。
現在は少しレベルを上げ、小学1年生向けの問題集に挑戦しています。
内容は、やや先取りになりますが、1年生のワークということで、長女も気分よく取り組んでいます。



会話の中で正しい文法を使うのはまだ難しいので、まずは紙に書きながら文章を作れるようになることを目標にしています。
まとめ:数値だけでは見えない課題に向き合う
IQ92という結果は、長女と家族にとって大きな安心をもたらしました。
しかし、実際の生活やコミュニケーションでは、まだまだ課題は残っています。
特に言葉の課題は、すぐに解決できるものではありません。
焦らず、コツコツと積み重ねていくことが大切だと感じています。
就学前の今だからこそ、数値に表れない部分に丁寧に向き合い、長女の成長を見守っていきたいと思います。

